LOVE and DAYS…瞬きのように

「あ! 月島先輩」


あたし達に気づいた生徒が声をあげ、数えきれないほどの視線が集中する。

大きくなるざわめき。
 

健吾はその中から例の女子たちを見つけ出すと

あたしの肩をぐっと引き寄せ、周囲に見せつけた。


「……っ」


みるみるバツの悪そうな顔になる彼女たち。
 

津波のような歓声が、校舎と校舎の間に響いた。

はやしたてる男子、キャーキャー騒ぐ女子。
 

何が何だかわからず呆然とするあたしの横で

健吾は誰かにむかって悪ガキのような笑顔でピースをきめる。


その視線の先にいるのは――


「アキさん……」
 

いつものクールな表情のまま、ピースを返してくるアキさんがおかしくて、あたしは頬をゆるめた。





< 180 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop