LOVE and DAYS…瞬きのように
「あ! 月島先輩」
あたし達に気づいた生徒が声をあげ、数えきれないほどの視線が集中する。
大きくなるざわめき。
健吾はその中から例の女子たちを見つけ出すと
あたしの肩をぐっと引き寄せ、周囲に見せつけた。
「……っ」
みるみるバツの悪そうな顔になる彼女たち。
津波のような歓声が、校舎と校舎の間に響いた。
はやしたてる男子、キャーキャー騒ぐ女子。
何が何だかわからず呆然とするあたしの横で
健吾は誰かにむかって悪ガキのような笑顔でピースをきめる。
その視線の先にいるのは――
「アキさん……」
いつものクールな表情のまま、ピースを返してくるアキさんがおかしくて、あたしは頬をゆるめた。