LOVE and DAYS…瞬きのように
外から聞こえていた騒がしい声が、遠くなっていく。
健吾の香水の匂い、シャツを通して伝わる体温。
何もかもが嘘みたいで信じられなくて
だけどこみ上げる愛しさは本物で。
心臓が壊れそうなほど暴れてるのに
ずっとこのまま離してほしくなくて――…
「――さて、と」
突然、健吾はそう言って、あたしをパッと離した。
「もうちょっとこうしていたいけど、先にやることがあるからな」
「え?」
「あの女たちに、わからせてやらねぇと」
「はっ? ……ちょっと、健吾!?」
あたしの手を引っ張って、ずんずんと歩き出す健吾。
あの女たちって何!?
どこに行くの!?
と焦るあたしが見たものは、渡り廊下に続くドアだった。
そして一気に視界が開け
学祭の風景が眼下に広がった。