LOVE and DAYS…瞬きのように

中には健吾とシンさんがいるらしく、真剣なふたりの声が聞こえてきた。


「莉子ちゃん、相当泣いたんじゃねぇの?」


「……そうだな」


「ま、お前の気持ちもわかるけどさ。
でも一応、あの問題の半分は解決したじゃん?」


「ダメだ。まだ半分、残ってる」

 

何を言っているんだろう……。

半分解決して、半分はまだ? 


あたしにも関係していることのはずなのに、まったく意味がわからない。


遠いよ、健吾……。
 

ドアの前で立ちすくむあたしは、部屋に入っていく勇気なんかとっくに萎んでしまっていた。



「健吾。あんまり意地はるなよ。俺らがいるんだから頼れ」
 

シンさんの言葉に、健吾の返事はなかった。

と思うと、中から足音が近づいてきて

勢いよくドアが開いた。
 

「……っ」


ぶつかりそうなほど近い距離で、向かい合ったあたしと健吾。


見開いたお互いの瞳に、お互いが映る。




< 244 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop