LOVE and DAYS…瞬きのように

健吾の左頬に、うっすらと痣ができているのに気づいた。

もしかしてあの男たちと何かあったんだろうか。

嫌な想像が頭をかけめぐる。


「……お前、いつから」
 
いつからそこにいたんだ? と、健吾は言おうとしたんだと思う。

だけど言葉の途中でハッと我に返ったように、あたしから視線を外して歩き出した。


「待って!」
 

後ろ姿に向かって叫ぶと、健吾は立ち止まってくれた。

ゆっくりふり返る、大好きな健吾の顔。
 

あたしは自分の想いをぶつけようと、大きく息を吸った

そのとき。


「お前の荷物はアキに渡しておくから」
 

健吾の冷たい一言で、心が打ち砕かれた。


「……らない」
 

震えるあたしの声。

健吾は前を向き、お店を出ていく。


「そんなのいらない!」
 

狂ったように泣き叫び、あたしはその場に崩れ落ちた。


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