LOVE and DAYS…瞬きのように
「俺が呼んだんだ。アキも一緒にいる方が、安心できるだろ?」
シンさんが言った。
たしかに、アキの顔を見たとたんにホッとしたあたしがいる。
真実を知りたがったのは自分だけど、知るのが怖くもあった。
こんなとき、アキがそばにいてくれるのは心強いんだ。
「うん。ありがとう……シンさん、アキ」
シンさんは少し緊張気味の笑顔で首をふる。
アキはやっぱり、いつもの無表情だ。
あたしはふたりの前に腰をおろして、コーヒーを注文した。
「じゃあ、さっそく話すけど。いい?」
シンさんの言葉に、あたしは深くうなずいた。
「まずあの男たちのことから説明するよ。
……あいつらは元・北高の生徒。昨年、退学したらしい」
シンさんの淡々とした声がテーブルに響く。
他の客の話し声も、店内に流れる音楽も
すべてが消えたように、あたしはその声だけに耳をかたむけた。
「莉子ちゃんも感じていた通り、あいつらが莉子ちゃんを狙う理由はないんだ。
あいつらが恨みを持ってるのは、健吾だから。
健吾の方はすっかり忘れてたけど、あいつら、昨年の冬に一度だけ会ってたんだよ。
街でちょっともめて、ケンカになったらしくて。
まあ健吾はほとんど手を出さずに、周りの奴らが騒いでただけみたいなんだけどね。
中心にいた健吾の顔を、あっちはしっかり覚えてたらしいんだ」