LOVE and DAYS…瞬きのように
健吾は堅い表情のまま、何も言い返してくれない。
やっぱり女の子があんなこと言うのは変だったのかな。
恥ずかしさに耐えきれず、あたしはうつむいた。
そのとき、あたしのあごに健吾の指が触れた。
「え?」
驚いて顔を上げようとするより先に、クイッと上を向かされた。
侵入してきた舌の熱さに、あたしの心臓が大きく波打つ。
今までのキスとは比べ物にならないほどの、深い口づけ。
足の力が抜けていく……。
健吾はあたしの体を支え、そのままそっと床に倒した。
この態勢の意味に気づいたあたしは、全身をこわばらせた。
ふと、健吾が動きを止め、困ったように笑う。
「余裕ねぇな、俺」
なくしかけたブレーキを探しているような、複雑な表情だった。
あたしは首を横にふり、目をつむった。
いいの……。
もっともっと近づきたいって、あたしも願っているんだから。
怖いけれど、健吾とならいいんだよ。