LOVE and DAYS…瞬きのように

「退部……届?」


鉛筆で書いた文字だ。

でも、ほとんど消えかけていて読めない。


紙を通り抜ける日光に目を細めながら、うっすら文字が残っている部分を読んだ。


「月島……」
 

これは、あの男の名前だろうか。



「月島健吾(ツキシマ・ケンゴ)――……」

 








ジャケットを返しに次の日カラオケ店に行ってみると、
男はすでにバイトをクビになっていた。
 

理由をしつこくたずねるあたしに、店長さんが渋々、教えてくれた。



「詳しい事情はわからないけど、お客様にいきなり文句を言ってトラブルになったんですよ」



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