LOVE and DAYS…瞬きのように
「それってどんなお客さんですか?」
まさか、と思った。
そんなことあるわけないって。
でも店長さんが口にしたのは、あたしの頭をよぎったのと同じ言葉で。
「たしか中学生か高校生くらいの、男女のお客様だったはずです」
「………」
「でも僕は昨日出勤していなかったんで、ハッキリとは――」
「待ってください!」
あたしはカウンターに手をついて身を乗り出した。
「違うんです、それ、店員さんが悪いんじゃないんです!
どっちかっていうとあたしのせいっていうか、とにかく彼は悪くないんです!」
はぁ、と間の抜けた返事の店長さん。
事情を知らないんだから当然だ。
あたしは必死で説明した。
気のよさそうな店長さんは一応耳を貸してくれたけれど、
「そうは言っても、もう解雇したあとなので」
と、困った顔であたしをなだめた。
がっくり肩を落としカラオケ店を出たあたしは、昨日から電源オフにしていた携帯を取り出した。