クールな彼の甘苦い罠
「 教卓の目の前 」
「 えっ、まじ?! 俺、隣!!
松木さんの横とか嬉しすぎるんだけど 」
「 よろしくね 」
後ろで繰り広げられる会話、
藤野は確実に松木のことが好きで、
最近はよく話しかけに来ている
それに、藤野と話しているとき
松木はすごく楽しそう。
俺は机の中に入った教科書とカバンを持って
新しい席に行こうとすると
「 ねぇ 」
「 、、っ!…… 何? 」
いきなりカバンを引っ張られて驚く
その声の主が松木ってこともすぐにわかる。
「 …顔、こわいよ? 」
松木は俺を眺めてそう言う。
「 で、なに? 」
なんで俺はこんな余裕がないのか。
自分が一番わかってる、
「 … 今週でしょ 試合 」
「 あぁ 」
こんな時、素っ気なくしか返事できない自分が嫌になる