クールな彼の甘苦い罠
紫月side


紫月side


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「 席替えするから、順番にくじ引きに来い 」


終礼前 、突然担任が言い教室がざわつく。



俺はみんなが引き終わるのを待ってから
最後に教卓まで引きに行く。


席に戻ってくると

「 どこ? 」

って 聞いてくるのは 松木。


「 … 3番 。」

俺は紙に書かれた文字を見せる



「 ええ、ずる。1番後ろじゃん 」



俺は黒板の座席と照らし合わせて、
3と書かれているのは真ん中の列の一番後ろ。


「 何番? 」

「 … 31 。教卓の目の前 」



黒板の座席と再び照らし合わせる。


31と書かれているのは、教卓の目の前


「 特等席じゃん 」


俺は そう答えるけど 内心ガッカリしている


今はこうやって席が前後だから話す機会も多い


だけど 席が離れれば話さなくなることなんて目に見えている



「 羨ましいでしょ?」

荷物をまとめて席を代わる準備をしてる松木は
得意げに俺を見てくる。


「 全然? 」
「 松木さーん。席どこなった? 」


話している途中で、松木のとこに来たのは藤野。



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