クールな彼の甘苦い罠
遥野side





遥野side



放課後の教室、

気がついたらみんな帰っていて
私は自分の席で 宿題を広げる。


今日は菜桜と帰りにアイスを食べる約束で
私は菜桜の部活が終わるのを待っていた。



昨日、藤野に告白され


私は変わらず平石が好きだけど
平石と天音ちゃんの噂が本当なら諦めないといけない。


この前だって学校まで来てたって、、


藤野は私が平石を好きなことを知っていて、

それでもいいって。


断れずに保留にしちゃった。


そんなことを考えていると宿題も進まず、

机の中から取り出した

《 今年のお祭り情報 》と書かれた紙。


近くであるお祭りや花火大会の情報が載っている。


毎年 菜桜と行ってるけど
今年は菜桜は稜矢くんと行くかなーなんて。


平石はきっと祭りとか花火とか
人が多そうなところ好きじゃないだろうなって…

「 俺は行かない 」って返事が想像できてしまった。



よし、宿題!と気持ちを切り替えて
ノートを開くけど 赤点だらけの私には意味がわからない数学。



気がつくと 重い瞼が閉じてしまっていた。




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