追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
※
シリルはエマの手を引いて執務室に向かった。
自室でも良かったけれど、部下からの報告や諸々の作業もあるので。
石造りの黒い城の中で、この執務室は比較的明るい色合いにしている。
絨毯やタペストリー、家具諸々、エマが来てからこっそり、温かみのある内装に変えてみた。アルフィが、「人間に冷えは厳禁だ」と言うので。
「エマ、さっきの話だけど、本当に考え直して欲しいんだ。君は隷属の呪いを解くスキルを持っている……でも、自分自身には使えないだろう?」
聖女の力は、聖女自身にとっては使えない者が多い。治癒も解呪も自分に施すことはできないのだ。
「シリル、私のステータスには『支配無効』という項目があります。これがあれば、隷属の印は無効になるのでは?」
「普通はそうだろうね。でも、今回は過去の異世界人が作った聖遺物とやらの力だから……どこまで無効にできるか心許ない。そして、君の呪耐性は小で確実に抵抗できるわけでもない」
異世界人が作った、未知の道具だから、通常のステータスで測るのが難しい。
そもそも、異世界人自体が、こちらの世界の理で測れない存在なのだ。
万が一の可能性を考え、シリルは慎重になっている。
「エマが行くのなら、僕も行こう」
「駄目ですよ、シリルは魔王です。失われていい存在ではないです」
「それを言うなら、エマだって聖女だ。こんな馬鹿げた事件で君に取り返しのつかないことが起こっては困る」
キーラン国が聖女の隷属に成功すれば、奴らは嬉々として彼女をモフィーニアへ差し向けるだろう。
エマもその事実に気づいたようで、素直に謝った。
「……すみません、急ぎすぎましたね」
シリルはエマの手を引いて執務室に向かった。
自室でも良かったけれど、部下からの報告や諸々の作業もあるので。
石造りの黒い城の中で、この執務室は比較的明るい色合いにしている。
絨毯やタペストリー、家具諸々、エマが来てからこっそり、温かみのある内装に変えてみた。アルフィが、「人間に冷えは厳禁だ」と言うので。
「エマ、さっきの話だけど、本当に考え直して欲しいんだ。君は隷属の呪いを解くスキルを持っている……でも、自分自身には使えないだろう?」
聖女の力は、聖女自身にとっては使えない者が多い。治癒も解呪も自分に施すことはできないのだ。
「シリル、私のステータスには『支配無効』という項目があります。これがあれば、隷属の印は無効になるのでは?」
「普通はそうだろうね。でも、今回は過去の異世界人が作った聖遺物とやらの力だから……どこまで無効にできるか心許ない。そして、君の呪耐性は小で確実に抵抗できるわけでもない」
異世界人が作った、未知の道具だから、通常のステータスで測るのが難しい。
そもそも、異世界人自体が、こちらの世界の理で測れない存在なのだ。
万が一の可能性を考え、シリルは慎重になっている。
「エマが行くのなら、僕も行こう」
「駄目ですよ、シリルは魔王です。失われていい存在ではないです」
「それを言うなら、エマだって聖女だ。こんな馬鹿げた事件で君に取り返しのつかないことが起こっては困る」
キーラン国が聖女の隷属に成功すれば、奴らは嬉々として彼女をモフィーニアへ差し向けるだろう。
エマもその事実に気づいたようで、素直に謝った。
「……すみません、急ぎすぎましたね」