追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
そうこうしているうちに、あっという間にときは過ぎ、召喚された人間たちがモフィーニアにやってきた。

戦える上級魔族、中級魔族は率先して戦場に出ている。

私は城の救護室に詰め、魔法で転送されてくる、怪我をした兵士の手当てに奔走する。治しても治しても、怪我人が減ることはなかった。

「異世界人のクラス召喚がこたえているようね」

シリルは離れた場所で、私の張った結界にいる下級魔族たちの護衛をしていた。

戦えない小さなモフモフは、全員結界の中に避難してもらっているのだ。

動ける人数が少ないので、それぞれ自分にできることをするしかない。

――同じ世界から来た人が殺されるのは嫌だ。

――でも、親切な魔族が殺されるのも嫌だ。

理想を並べたところで、争いを止めるための力が、私には圧倒的に足りない。

患者を回復し終えた直後に、また新たな怪我人が転送されてくる。きりがない。
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