あなたは私の救世主!~俺様ドクターの命じるままに
『なぁ聖人……あいつら別れたのか?
小山っていつも水野の後ろくっついて歩いてたのに、最近一緒にいないよな!』

『え……そうなのか?小山、どうしたんだろうな』


興味はないだろうと思いながら、同期が聖人に噂話を持ちかけると、意外にも食い付いたので
さらに話を続けてみた。

『小山がみくるちゃんの事狙ってるんじゃないかって、看護師の間で噂になってたし!
聖人、大事に掴まえておいた方がいいぞぉ!』

『ぁ…あぁ』

(お前からみくるちゃん奪ってやりたくなったよ)
あの時の、小山の捨て台詞が頭に蘇る。


そして追い討ちをかけるように葵からも
忠告されてしまった。

『みくるさんって、案外したたかな女なのね。
何も分かってないのは、聖人の方じゃない?』

『はぁ!?拒否された嫌がらせか?』


葵は余裕の表情で多少笑みを浮かべながら
その場を去っていった。


聖人は強がってみたものの、正直心はかき乱されていた。
みくるは2人の話を耳にしてショックを受けていたに違いない。
けれど、ちゃんと聞くことも誤解を解くことも出来ないままだった。

聖人は大事な人がどんどん離れていってしまう
恐怖に戸惑っていた。
こんな感情は、初めてだったから……


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