獣人皇帝は男装令嬢を溺愛する ただの従者のはずですが!
「ふみゃぁ~!!」
 猫たちは一斉に、かつぶしとにぼし、さらには大盤振る舞いのマグロのオイル漬けに飛びついた。
 猫たちがひとしきり食べ終えると、私はブラシ片手に一匹ずつ丁寧に毛繕っていく。
 これは実家暮らしの時にもしていたことで、大好きな猫たちが体にノミをくっ付けて毛をボソボソにしているのが耐えられず、自作したノミ除けのハーブスプレーで自宅周辺の野良猫たちの手入れをし始めたのだ。
 そうして近習としてあがった皇宮周辺でも毛をボソつかせた猫たちを見つけ、近習の勤務の傍ら、持参していたこのハーブスプレーでブラッシングしてやるようになったのだ。
「ふみゃ~」
 当初は気性が荒かった猫たちも、今では私がブラシをかけるとうっとりと蕩けた目をして甘えた声をあげる。
 継続的なブラッシングと特製ハーブスプレーの効果で、彼らの毛はふわりと立ちあがり、見違えるように艶やかになっていた。
 ……ふふふっ、すっかりふかふかだ。可愛いなぁ。
 スリスリと擦り寄ってくる猫たち全頭をブラッシングし、最後の仕上げにもう一度ハーブスプレーをかけてやる。
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