その日までさよならだね。
事故(沙夜siten)
少し遅くなってしまったけれど、ライと未来へのプレゼントを買って車で夫と帰る。

「未来、ライ喜んでくれるかな、」

ドキドキしながら隣に座る夫に声をかける。

「きっと喜んでくれるさ」

笑顔で答えられ、そうねと安心する。

ラジオで、人が車に轢かれたと報道があった。

それも、私たちの家の近く…

「怖いね…ちゃんと気をつけないと…」

ね、そう言おうとした時、電話が鳴った。

「はい。もしもし…えっ?…」

それは…未来が自動車に轢かれたという内容だった。すぐ向かうと伝え電話を切る。

「どうした…?」

電話を切った後も、放心したまま、固まっている私を心配したのか、車を止めてこちらを見る。

「未来が…未来が…車に轢かれたって連絡が…今すぐに来て欲しいって…」

自分で言ってやっと理解する…

未来が…未来が…轢かれたと…

夫はすぐ冷静になり、私から場所を聞くとすぐ病院に向かった。


どうして…不安と焦りがただ私達を襲った。
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