声と性癖
結衣は切電し、はふっとため息をつく。
トラブルもなく、対応を完了して良かった……。

リーディングルームで横に座っていた同僚の名塚莉奈が、
「トラブル案件?」
と聞いてくる。

「ううん。スタッフさんが対応しきれない件だっただけ。勉強になったよ。」
「通常対応だったもんね。」
「うん。無茶言う人ではないから良かったよ。」

「結衣さん、査定とか営業さん、代理店さんとも連携とれているから、いいよね。」
「一人で仕事できないだけです。ほんと、助けてもらわないと全然できない。」

周りが助けてくれるから、今の自分があることを、結衣は分かっている。

「そう言って、周りを巻き込む力があるのが、アナタのすごいところよ。」
「褒めても何もないですよ。」
素直に褒められて、結衣は照れてしまった。

フロアに出てきます、と結衣はリーディングルームを出る。

蓮根に連絡したことで、肩の荷がおり、身軽な気分になっていつものように仕事をする。
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