声と性癖
『結衣さん…』
「は…い…?」
『大好きです。』
目を閉じたら、側で囁かれているようだ。

「涼真さん、側にいるみたい。でも、いないんですね。……私…も、好き……じゃなかったら、こんなこと、しな……」

『結衣さん、眠いの?』
甘く優しい涼真の声が心地良い。

「ん、だいじょぶ……」
結衣はそう返事はしたものの、気付いたら眠ってしまっていた。

電話の向こうの涼真が、くすりと笑って、『愛してますよ、結衣さん…おやすみなさい。』と言ったのは、結衣には聞こえていなかった。


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