ずっと気づかなかっただけ。

「チカくん…」

チカくんに助けを求めると、

「ははっ、好きに呼んだらいいよ。」

チカくんは笑って答える。

チカくんカッコいい。

「クマさん…?」

「…」

この人苦手かも。

うぅ、

あまりに反応が返ってこないからしょげてると、

ふと、クマさんの制服に目が行く。

「あれ、糸くず…」

手を伸ばして取ろうとすると、

パチっと軽く手をはたかれて、

クマさんが自分で糸くずをとる。

「…自分でとる。」

あ。

「今、話しましたね!初会話!!私のことは好きに呼んでください!これからよろしくお願いします、クマさん!」

手をはたかれたことよりも、

口を開いてくれたことに驚いて反応すると、

クマさんは目を少し開く。

「…こわ」

と呟く。

なんで!

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