ずっと気づかなかっただけ。

「え?あ、ほんとだ。」

なっちゃんがコサージュを丁寧に外してくれて、

2人で覗き込む。

「っ!好きっ!!」

大喜びの私と、苦笑いのなっちゃん。

「ほんと、甘いというか、特別扱いだよねぇ。」

花びらについていた黒色は、

花びらの後ろに文字が書いてあったからで。

その文字は、

『おめでと』のたった四文字。

でも嬉しい。

だってこの字は私を甘やかしてくれるお隣さんの字だから!

「すごい!奇跡!っは!でも他の人の手に渡る可能性もあったんじゃ…奇跡だ!チカくんに写真送る!」

「いや絶対千景先輩、狙ってたと思うけど…まぁいいや。真白、写真撮ってあげる。」

なっちゃんにスマホを渡して、

ピースをつくる。

実は今日は去年の誕生日にチカくんから貰った白のレースのリボンがついたゴムをつけてたから、

それもうつるように頑張る。

驚くかなぁ〜
< 17 / 241 >

この作品をシェア

pagetop