ずっと気づかなかっただけ。
第5章 よそ見しないで

真白side


そしてついに花火大会当日で。

チカくんは昨日お勉強してた人たちと行くみたいで、

現地集合。

私も現地集合だから、

そこまでは一緒に行くことに。

動き回るし、

汚れるかもしれないしなぁと、

可愛いサマーニットに、ジーンズとサンダルで、

外に出る。

「お待たせ!」

チカくんは黒のTシャツに、

白のスキニーでスニーカー。

シンプルだけど、

イケメンが引き立っててカッコいい!

手を繋いで歩き出すと、

チカくんが不思議そうに言う。

「毎年この花火大会浴衣じゃなかった?」

そう、毎年チカくんといってた花火。

「今年、もう行かない?チカくんと行く時に着たいなって今日は着なかったんだけど…」

素直に答えると、

少し驚いた表情をして、

チカくんが満足げに笑う。
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