ずっと気づかなかっただけ。


「真白、そういうとこすきだよ。」

私の顎を捕まえて、

キスするから顔から火が出る。

「み、道でっ!」

「誰も見てなかったから。花火大会行こうな。」

「行くっ!」

手を握り直して、

歩き出す。

待ち合わせに着くと、

なっちゃんたちはまだいなくて、

クマさんたちはついてる。

「待ってるだけだから大丈夫だよ!また帰りにね!」

そう伝えて手を離そうとするけど、

手が離れない。

「高木来るまでは油断できないから。」

クマさんと目があって、

お辞儀するけど、

クマさんは現状把握してくれたのか、

手をヒラヒラと揺らすだけ。

「い、いいの?」

「いい。まだ全員揃ってないしな。」

そっか、と返して、

人混みを避けて隅の方でなっちゃん達を待つ。

「真白、」

「なに?」

上を向くと、またチカくんがキス。

「っ、人いるってば!人の目が有れば耐えれるって言ってた!」

文句を言うと、

「これくらい許せよ。それとも、したくない?」

それはずるい。

何も言えなくなった私にチカくんがもう一度近づくから目を閉じる。

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