好きだった同級生に抱き締められた
 後ろから抱き締められて私は心音を加速させる。とくとくとくとくと騒ぎ立てる鼓動は不意打ちを食らったからだけではない。

 彼への気持ちが浮上し私の温度を高めていく。

 振りほどきたいとは思わなかった。むしろこのままでいたい。

 彼の体温が胸の鼓動がじんわりと伝わってくる。心のどこかで菊池さんに勝ち誇っている自分がいた。

 あなたは自分から彼に触れていたけど、私は彼のほうから触れてきたのよ。

 本田くんが耳元でささやく。

「このまま二人で抜け出さないか?」
「へっ?」

 またも変な声になる。

 彼は小さく笑うと密着を強めてきた。

 私はくらくらと目眩を覚えながら彼の口にした言葉を無言で繰り返す。意味がわからないほど子供ではなかった。私だけでなく彼の温度も上昇する。

 彼も私と同じ気持ちなんだよね?

 今度こそロマンスを期待してもいいよね?

 これからのことを想像し、胸のときめきが止まらなくなる私であった。
 
 
**本作はこれで終了です。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
 
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