カフェのイケメン君が私のウソ彼です
3rd story

秘密

下田さんの最後の言葉にいつもだったら嫌悪感を抱く。


だが今はそれどころではない。


どうしよう、宮くんなんて説明しよう。
言い訳も思いつかないまま宮くんの方に向き直る。


「ごめんなさい。私情に巻き込んでしまって。」


「ミズキさん、待ち合わせがさっきの人だったのなら、この後空いているでしょう。」


唐突な確認に驚きながらも、はい、とうなずく。
硬い表情をしているようにも見える宮くん。
そりゃ、誰だって面倒ごとに巻き込まれたくないよね。


「とりあえず店まで行きましょう。ミズキさんの話、聞かせてください。」


けれど宮くんの口から出てきた言葉は想定外のことで。
心配してくれたことを嬉しいって思う。


< 41 / 187 >

この作品をシェア

pagetop