カフェのイケメン君が私のウソ彼です
手前に皿を引き寄せてケーキを口に入れた。
程よい甘さが広がる。
どんな時でも美味しいものは美味しいままらしい。


ずっとさっきのことは考えないようにした。
思考がそっちにいったら、すごく悲しくなるから。


せっかく2人でいられる空間で浩くんに気を使わせるようなことはしたくない。


会計は先にしてもらっていた。
離席している時にやってくれていたんだろうな。
私の分も受け取ってもらえない。


納得はいかないけれど、最終的には私が折れて、ありがとう、と伝えた。


酒田さんがまた来てね、って言ってくれた。
もう一度来ることはあるのかな。
ここだと私に払わせてくれることなさそうだから。
一緒に外出してくれるのなら、割り勘がいい。


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