妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~



そうして私は女性の家まで、荷物を運ぶことになった。



近頃は気温もずいぶん高いし、健康体の私でもクラクラする時がある。

女性の様子を伺いながらゆっくり歩みを進め、立派な門構えの一軒家に着いたのだった。





「本当に助かったわあ、ありがとう。そうだ。ちょっと家で涼んでいきません?」


「いえいえ、そんな、私はこれで……」


「遠慮なさらずに、ね?」




 少し元気を取り戻した女性に招かれ私はものすごく豪華な和室に案内された。



広すぎる和室は、なんだか知っている香りがした。
落ち着くというか、なんというかどこで嗅いだのだろう。




それよりも人の家の匂いをくんくんするのって失礼だよね。


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