妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~




女性は意外にもお水をグビグビ飲んだ。
腰に手を当てて、これは感心するほど良い飲みっぷりだった。





さっきの儚いイメージが微塵もなく、溌剌としている。



「女の子とお茶できるなんて、娘ができたみたいで嬉しいわ!」


胸の前で手を合わせてとても可愛らしく微笑む、その仕草にキュンとした。


なんでしょう、この上品で可愛らしい方は!




 女性には息子さんがいるらしく、結婚できるか心配しているらしい。



こんな綺麗な女性の息子さんなのだから何にも心配なさそうなものだけれど。
母親というのはそういうものなのかもしれない。




「お見合いも全然してくれないし、困ってて。あなたみたいな子なら……」



と女性が言った時、玄関から「ただいま」という声が聞こえてきた。




女性は息子が帰ってきたみたい、とウィンクする。



「おかえりなさーい」


「あれ、母さん誰かきてるの?」



見知った声が聞こえ襖が開いた。


これはもしや……。



「え、久美ちゃん?」


入ってきたのは常木さんでした。



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