海賊たちは歌を愛す
声が騒がしすぎたのか、船長室のドアが開いて赤いショートカットの船医のジェルメイヌが入ってくる。その後ろには、何故かコックのカイルもいた。

「カイルとお喋りしてたら騒しくって!せっかくお酒の話をしてたのに」

「ジェルメイヌは飲み過ぎるからもうしばらく禁酒ねっていう話をしてたんだ」

不貞腐れるジェルメイヌの頭をカイルは宥めるように撫で、ジェルメイヌに叩かれる。その光景を見てリアとレイが吹き出した。

「そうだ、ミラ。もう船員たちは船にみんな戻ったよ」

レイの一言でミラたちの目が輝く。これからまた新しい冒険が始まるのだ。

「出航するよ〜!!」

ミラがそう言うと、ルカーナたちは他の船員に知らせて回る。しばらくすると汽笛が鳴り始めた。それは始まりの旋律で、ミラはこの音がすごく好きだ。

五線の海へログインし、ミラたちは誰からともなく歌を口ずさみ始める。今宵のフレーズはどんなものか?そんなことを言わなくても、この船には音楽が鳴り響いていく。
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