DEAR again〜アイスクリスタルのやくそく
 それを聞いた女の子は、空を見上げてこう言いました。

"星が降る夜に、満点の星があなたに降りてくる夜に、必ず迎えに行く。この青い光はわたしの心。だからその時まであなたに預けます。時が来るまで大事にしてください"

 すると、どうでしょう!きらきらした氷のきらめきが渦を巻きはじたではありませんか。そして女の子の姿がどんどん薄くなって行きます。
 どんどん薄くなって、やがて消えてしまいました。あとに残ったのは氷のきらめきだけでした。

 でも男の子は聞きました。女の子が消える前に、その青い瞳が男の子を見つめて、ふっくらしたくちびるがこう言うのを。

"大好きよ。私もあなたを忘れない"

 男の子はしばらく空を見上げていましたが、握りしめた右手を開くと、青く輝くアイスクリスタルのかけらがありました。

 青い瞳の女の子からの贈り物のようです。男の子は手のひらの輝きを見つめてつぶやきました。

「きみのことは忘れない。ぼくは待ってるから。ずうっと。ずうっと」

 静かなクリスマスの不思議なできごとでした。




おしまい
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