【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
それから数日後のことだった。棗さんはわたしに話があるとリビングへと呼んだ。
「聖良、ちょっといいか?」
「はい?」
「ちょっと話があるんだ」
「……話、ですか?」
なんだろう……。いつになく棗さんが真剣な顔でそう言っていたから、なんだか不安になってしまった。
どうしたんだろう……。棗さん、何かあったのかな?
「とにかく、座ってくれ」
「……あ、はい。分かりました」
言われたとおり、棗さんと向き合うように座った。そして棗さんは、ゆっくりと口を開いた。
「……聖良、お前に一つ話しておきたいことがある」
「話して……おきたいこと?」
なんだろう……。話しておきたいことって?
「ああ。親父のことだ」
「鷺ノ宮社長、のこと……?」
「ああ。……前まで親父には、愛人がいたんだ」
「……え?愛人……?それ、本当ですか……?」
「ああ。……その愛人との間に、子供もいる。隠し子だ」