【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜



 
 そんなある日のことだった。朝ご飯の支度をしていた時に、わたしにある異変が起きていた。

 炊けたばかりのご飯を、茶碗に盛ろうとした時……。なんだか急に気持ち悪くなってしまった。

 「……うぅっ……気持ち悪っ……」

 なんでこんなにも気持ち悪いんだろう……。急な吐き気に襲われて、そこから少し動けなくなってしまった……。

 「……聖良?大丈夫か!?」

 心配した棗さんが駆け寄ってきてくれた。そして背中を擦ってくれた。

 「す、すみません……。少し気持ち悪くなってしまって……。もう大丈夫ですから……」

 「無理しなくていい。……座って休んでいろ」

 「すみません……。ありがとうございます」
 
 「聖良、体調が悪いなら無理してやらなくていいからな?」

 「はい……。ありがとうございます」

 「今日は仕事を休んでゆっくり休んでいろ。無理して倒れられたら、俺が困るからな」

 棗さんはそう言ってわたしの頭を撫でてくれた。

 
< 189 / 264 >

この作品をシェア

pagetop