【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
勘違いかもしれない。本当に聞き間違いかもしれない。
だけどわたしには、好きだという1言が聞こえた気がした。……信じられない。信じたくもない。
けれど……その言葉だってきっとウソかもしれない。夫婦の営みの最中だからこそ、雰囲気を出すためにそう言っただけかもしれない。
「……んんっ、棗さっ……」
棗さんの手を握る力が強くなって、わたしも棗さんの指を絡めて握りしめた。その瞬間に、わたしたちは二人で理性を手放した。
「……聖良、おやすみ」
「おやすみなさい。棗さん」
わたしは棗さんの腕に抱かれながら、その日の夜眠りについた。
翌朝、目が覚めると。棗さんはすでに仕事で出かけていていなかった。リビングに行くと、リビングに置き手紙が置いてあった。
【起こすと悪いと思ったから、先に仕事に行く。今日は定時で帰る。外で夕食でも食べよう】
え?外で夕食を……?外食なんて、久しぶりだな……。