政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「……こういうのは難しいからね」

 白を黒だと言うことは難しくないけれど、その逆は難しい。先方が「言われてみれば似ているかも」と思ってしまえば、もう反論しても疑惑を消し切れない。

「メールや電話で何度もお伝えしたんです。だけど、どうもLa seule fleurの担当に確認を取っているようで」

「指摘してる側に聞いたって、まったく意味ないのに」

「そうなんです……」

 うなだれた宮木さんの肩をそっと抱いて慰める。彼女の頑張りは先輩として見てきた私が一番よく知っていた。

 なんとかしてあげたいという気持ちを抑えきれず、時計を確認してから心を決める。

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