政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 彼を思うと、いつもイライラもやもやした。悪い人ではないし、尊敬する部分もあるけれど、どうして他のみんなと違って、私にばかりああしてからかうような態度を取るのだろう。頭を撫でるのも、頬をつまむのも、私以外には絶対にしない。

 いつか仕事でお返ししてやる、と思っていたとき、テーブルに置いてあったスマホが音を立てた。葉鳥さんからだった。

「もしもし? 今、外に出てるんですが、なにかあったんですか?」

『あのドルチェの広告デザインをやることになったよ!』

 興奮気味な葉鳥さんの声を頭の中で理解した瞬間、思わずカランとフォークを取り落としていた。

「ドルチェって……あのアクセサリー会社の?」

『そう!』

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