政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 いつも通り秋瀬くんと時間をずらして出社した私は、葉鳥さんからとんでもない知らせを受けた。

「嘘ですよね、葉鳥さん。そんなの……」

 聞かされた話を信じられず、全身の血の気が引く。

 否定してほしかったのに、葉鳥さんは普段の朗らかな笑みを引っ込めて、重々しく首を横に振った。

「残念だけどLa seule fleurからのスパイは、秋瀬で間違いない」

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