政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 焦らされているのかと錯覚するほど丁寧に私を甘やかし、溺愛した秋瀬くんは、「眠る時間がもったいないから朝までしたい」と言い切ったことがある。

 実際、眠るどころかわずかな休憩時間さえ私に与えず、何度も愛を囁いてくるのだからおそろしい。私に無理をさせている自覚はあるらしいが、「それはそれとして俺は真白が欲しい」と開き直るのだ。

 袋から出した下着を慎重にしまっておく。やっぱりこれを身につけて秋瀬くんの前に出るのはやめておこう。

 クローゼットのこやしになってもらわなければ、私の身が危ない。

 でも、と自分を抱き締める。

 秋瀬くんに愛されたときのことを思い出し、きゅっと身体が疼いた。
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