政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 あんまりにも秋瀬くんが言うから、こっそり買ってみた勝負用下着が入っている。秋瀬くんがぜひにとねだった黒のレースはさすがに買えなかったけれど、ふわっとかわいらしいパステルカラーと控えめな花の模様が気に入っている。

 明日、帰宅する秋瀬くんをこれで出迎えたらどんな顔をするだろう。

 玄関で襲われる自分を想像するのがあまりにも容易すぎて、やめておくことにした。

 秋瀬くんは童顔だし、軽い態度を取るし、好き好き言うくせにやることは子供じみた意地悪ばかりだから、ベッドの上でも普段とさほど変わらないのだと思っていた。

 それがああ見えて、ぎょっとするほど肉食系である。

< 290 / 342 >

この作品をシェア

pagetop