政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 苦笑すると、秋瀬くんは私にキスを落とした。

 その手が当然のように服をまくりあげ、不意に止まる。

「……真白さん。下着が透けてますが」

 秋瀬くんの帰りに合わせて身につけた、例の勝負下着。

 明日は仕事だけど、どんなに全身が悲鳴を上げてもいいから秋瀬くんに求めてほしかった。

「秋瀬くん専用なんだけど、こういうのはあんまり好きじゃなかった……?」

「やめろよな、ほんと」

 大きな溜息を吐いた秋瀬くんが、勢いよくネクタイをほどいた。

 こくりと息を呑んだ私の顎を掴み、がっつくように荒々しく口づけてくる。

< 300 / 342 >

この作品をシェア

pagetop