政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 やんわり押し留められ、おとなしく席につく。目の前に置かれた器から、ラーメンのいい香りがふわりと漂った。

 秋瀬くんは冷蔵庫からお茶の入ったボトルを持ってくると、テーブルにあるグラスへと中身を注ぐ。この間麦茶がなくなったばかりで、今はほうじ茶にしていた。

 ぐう、とお腹が鳴る。秋瀬くんにも聞こえたらしく、私を見てくくっと笑っていた。

「真白のはもやし多めにしてるよ」

「秋瀬くんは? ちゃんと足りてる?」

「奥さんがおいしいって言ってくれたら、それで満腹になるからな」

 遠回しに感想を要求されているのだと気づき、手を合わせる前にニヤッと笑っておいた。

「おいしい」

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