政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 秋瀬くんはどう答えるのだろう、と昼間思ったようにまた考える。

 こくりと息を呑んで答えを待っていると、秋瀬くんはテーブルに肘をついたまま微笑した。

「欲しいに決まってる」

 それは私の予想にない答えだった。

 子ども好きだと聞いたことはないし、積極的に欲しいという態度を取られたこともない。そんな秋瀬くんが、さも当然のように「欲しい」と言うとは思わなくて。

 驚いてなにも言えずにいる私を見つめ、秋瀬くんはさらに口を開く。

「だって真白の子どもだろ。絶対かわいいよ」

「仕事とか……迷惑かけるかもしれないんだよ」

< 336 / 342 >

この作品をシェア

pagetop