政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 秋瀬くんは部屋の電気もつけないまま、ベッドに膝を乗せた。ぎしりと音がして、私の緊張を高める。

「あ、秋瀬くん」

「んー? どうした?」

「近い……」

 覆いかぶさられて逃げ場を失う。

「これからは、これが俺としろちゃんの距離だよ」

「嫌」

 反射的に言うと、至近距離でくくっと笑われた。

「しろちゃんってさ、そういうのが子供っぽくてかわいいんだよな」

 秋瀬くんの手が私の頬から髪へ滑って撫でつける。今まで何度も頭を撫でられたけれど、こんな甘く優しい手つきで触れられたことは一度もない。

 だから、身動きが取れなくなった。私を見つめる目も、触れてくる優しい手も、知っている秋瀬くんのものではなかったから。

「どうして秋瀬くんは私と結婚したの……」

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