政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 じたばたもがいても、悲しいかな、身長差三十センチの影響は思っていたよりも大きい。秋瀬くんが子供扱いするのも仕方がないほど、まったくと言っていいほど抵抗に意味がなかった。

 秋瀬くんは嫌がる私を廊下の右側に位置する部屋へと運んだ。そこにはきれいなベッドと私の荷物が置いてある。今日から私の部屋として使う場所だと、家に来たばかりのときに言っていた気がした。

 恥ずかしいやら、情けないやらで早く下ろしてもらおうと手足をばたつかせていると、秋瀬くんは私をベッドの上に落とした。下ろそうとして失敗したというわけではない。本当に無造作にひょいっと放り投げたのだ。

「いたっ」

 柔らかなベッドで腰を打ち、大して痛くもないのに声が出る。

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