チャラい彼は、意外と一途
彼女ができた時は本当にショックだった。
だから、萌ちゃんを妬んでいた日もあった。
湊君ことが本当に好きで、大好きだった。
それをもっと早く言ってくれたら……
醜い私を知ることはなかったし、傷つかずにすんだのに……
今となっては遅くても、思わず思ってしまう。
「ごめんね、湊君。私、佐野先輩のことが好きなんだ。だから、湊君とは……」
「知ってる。でも、そう簡単に諦めることはできない。ふゆ、お願いだから……」
俺を好きだと言ってくれ、そう小さな声で言われて切なくなる。
湊君……
次の瞬間、私は湊君に抱きしめられた。
「み、湊君」
「今は無理。離せない」
ドキドキしてしまうけど、湊君を好きな頃とは違う。
やっぱり、私はもう湊君のことを好きじゃないんだ……
「あのね、湊君……」
もう1度言おうとすると
「ふゆ、ちゃん……」
この声……この状態のまま、そっと前を見た。
すると、そこには佐野先輩が立っていた。
どうして、このタイミングで……
「佐野先輩……」
佐野先輩の表情は切なげで、それでいて諦めのようなものも浮かんでいた。
「抱き合ってるってことは、2人は付き合うことになったんだね」