いつの間にか、君に恋していたんだ。


「まぁ、それが伊鳥ちゃんだけど」


「どういうことですか?」


「気にしないでいいよ。俺の独り言だから」


よく分からない。


でも、いいって言ってるし、気にしなくてもいいよね……?


「じゃあ、仕事について簡単に教えるから。接客の仕事はだいたいオーダーを聞きにいってそれを厨房に伝えることと料理を運ぶことの2つ。仕事はそこまでないから。今日1日はずっと俺達接客係の動きを見とくといいよ。分からないことがあれば、聞いて。教えるから」


「あ、はい。分かりました」


輝楽さんは優しくて……私は嬉しくなった。


輝楽さんが教育係でよかった……


「伊鳥ちゃん、ここの制服に着替えてくれるかしら?」


「はい、すぐ行きます」


奥から小夜さんの声が聞こえてきて、そう返事をした。


「……俺も行く。脱衣室はこっちだから」


輝楽さんは私の手を引っ張って、連れていってくれた。


「あらあら、仲良いのね~」


私と輝楽さんが手を繋いでるのを見て、驚いた顔をしつつニヤニヤしている。


離さないと……


変な誤解をされてしまう。


輝楽さんにこれ以上迷惑をかけるのはやだ。


「あの、輝楽さん」 

 
「分かった、離すから」   


すぐに言いたいことが分かったみたいで、離してくれた。


「ふふふっ。はい、伊鳥ちゃん。これ、制服だから。着てみて?」   


「分かりました」


「神崎君、一緒に出るわよ」


「はい」


バタッとドアが閉まって、小夜さんと輝楽さんが部屋から出た。


それにしても……渡されたここの制服を見つめた。


仕事着なんだろうけど、何というか……


着るのをためらってしまう。


とても可愛らしいデザインで、それでいて大人っぽさも感じるような服だった。


色は落ち着いた感じの色。


スカートも短いし。


こんなの私に似合うかな……?


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