いつの間にか、君に恋していたんだ。


「それ言ったら、皆そうだろ!」


「確かにそうだよな。あ、李人は今日新しくバイトに入る子がいるってこと知ってるか?」


「もちろん、俺にも届いてるし」


「可愛い子だってさ!早く見たいよな~」


「確かにそうだな」


どこがいいんだ……


氷河先輩も楽しみにしてるらしく、会話は盛り上がっている。


女達は面白くなさそうにしてるけど。


……とりあえず、着替えるか。


その会話がくだらないとしか思えなくなり、俺は脱衣室に入って着替え始める。


「あ、輝楽君」


俺の後ろから、木梨胡桃先輩も入ってくる。


……はぁ、めんどくさい。


「俺も、着替えてますけど」


「別にいいよ」


この先輩は俺のことを明らかに好きだと分かるから、面倒だ。


この先輩も着替え始めるけど、特に何も感じない。


「輝楽君は可愛い子が入るっていうのは嬉しくないんだよね?」


「えぇ、まぁそうですね」


必要以上に会話をしたいとは思わない。


でも、無視するわけにもいかないから一応答える。


無愛想にもほどがあると思えるような声だけど。


「そうよね」


その声はとても嬉しそうで。


この先輩といたくないから、さっさと着替えてすぐに出た。





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