いつの間にか、君に恋していたんだ。
「他の男ともう喋るなよ」
「えっ、そんなの無理だよ」
話さないなんて、絶対できない。
何かしら接点があるから、どんな人でもある程度は喋るし……
「そうかよ」
そう言った時の頼君はすごく不機嫌そうだった。
その日からだったかな。
頼君が私をブスと言い出したのは……
「お前なんて可愛くない。むしろ、ブスだろ」
突然の豹変にびっくりしてしまったけど、確かにその通りだなと納得する。
可愛いっていうのはお世辞だったんだ。
でも、それを教室で言うことはなかった、周りには異変に気づかれてないみたいだった。
「仲良いよね!」
むしろ、仲良いと思われてる。
でも、それでよかった。
頼君に言われた言葉は少し傷ついたけど、そこまでだったから。
それからもその生活は続いて、他の男の子と話したりするだけで怒られた。
「お前って嫉妬深いよなー!」
そう言ってからかわれてたけど、本当にそうなのか分からない。
もう私のこと好きじゃないんじゃないかなって思うところまできていた。
「たくっ、クソ男よね」
由香ちゃんに言ったら、決まってそう言われた。
別に愚痴ってるつもりはなかったけど……
「嫉妬深すぎ!おまけに、伊鳥のことブスって言ってるとか、許せないわ」
最後の方はとても低い声で、怒ってるんだなってことが分かった。