いつの間にか、君に恋していたんだ。
神崎兄弟の人気っぷり


いつも通り学校へ行って、由香ちゃんとお昼休みを過ごしていると……


「えっ、あれって……」


「嘘っ!」


何やら騒がしくなった。


何だろう……?   


由香ちゃんと顔を見合わせる。


「なんか騒がしいわね」


「うん。何だろうね」


教室から出ると、女の子は皆窓から乗り出していて。


気になって、私達も窓から見てみた。


騒ぎの元凶が分かり、びっくりした。


校門のところに立っていたのは、輝楽さんだったから。


どうして、輝楽さんが……


「あれって、神崎輝楽先輩よね?」


「うん、そうだよ」


「伊鳥、ちょっと行ってみない?」


「えっ、でも……」


「いいから、行くわよ」


由香ちゃんに引っ張られて、あっという間に外に。


輝楽さんのところには女の子が群がっている。


綺麗な人や可愛い人。


皆キラキラしたような人ばっかり。


「輝楽先輩ですよね?どうしてここにいるんですか?」


「あの、番号とか教えてもらえませんか?」


結構近くにいるから、会話は丸聞こえで……


さすが、輝楽さん。


モテるんだなぁ……


「うるさい。どっか行ってくれない?」


氷のように冷たい声。


その声に女の子達は固まる。


女の子達がちょっと可哀想だけど、輝楽さんも大変そうだな……


私はその光景を苦笑いしながら見つめた。



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