看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
その翌日、今度は高木がやって来た。

「こんにちは」

「ああ、高木さん。今日来る予定でしたっけ?コホコホッ」まだ、咳が続いている。

「先生?大丈夫ですか?」

「高木さん、先生は止めてって前から言ってるでしょ?」

「無理ですって。今や橘涼太朗を知らない人はいないですよ?よく隠れ通していられると感心する位、みんな先生の姿を見たくて捜してるんですよ」

「…。俺は、このままヒッソリと作品を作っていきたいんだ。これからも、頼みます」

「わかってます。出来る限りバレないように努力します。先生との約束ですからね。ただ、体調には気をつけて早めに病院に行って下さいよ」

「ああ」

高木は、作品の依頼があった事を伝えに来たのだった。

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