看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
最初の収入を全部つぎ込み、両親と一緒に住む家を綺麗にし、作業場と窯も新しくした。

その後、数年平穏に暮らしていた。それが、一気に崩れたのは、25歳の頃だ。

滅多に鳴らない家の電話が何度も鳴る。普段は両親が出るがあいにく留守だったので、俺が渋々出たのだが…

「はい」

「橘さんのお宅でしょうか?」と男性の声。

「はい」

「警察の者ですが、御両親が事故に遭われまして、すぐに病院にお越しいただけますか?」

「…」あまりの驚きに、言葉がでない。

「橘さん?橘さん」

「はっ、はい」

その後、病院に駆けつけたが、両親は即死だったらしく、哀しい対面となったのだ。

この時も、日高夫妻に助けられ、何とか両親の葬儀をする事が出来た。




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