今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
「すいません、やっぱりいいです」
聞かないほうがいい気がした。
陽茉莉はそう謝罪すると、自分の体を抱きしめるように腕を回す。
「怖いのか?」
答えることができず、陽茉莉は俯く。
正直、怖くないと言えばうそになる。
もしも相澤がいないところであれに襲われたら、自分はどうなってしまうのだろう。想像するだけで体が震えそうだ。
青ざめる陽茉莉を見下ろし、相澤は再び体を屈めた。